google-site-verification: google29e9fe9537bcd1c0.html 高野山⇔四国、往還の記: 四国遍路で利用する宿

2012-10-16

四国遍路で利用する宿

 一つ前のエントリでは「四国遍路でかかる費用の目安」について述べてみましたが、その費用で最もウエイトを占めるのが、「宿泊費用」。
 既に、「四国遍路でかかる日数」でも一言触れましたが、遍路は「日数を少なくし安い宿に泊まるようにすれば、遍路の費用は相当に抑えられる」ようになるわけです。

 それでは以下に、「遍路が良く利用する宿」と、その「宿泊費用」などの目安を、列挙しておきましょう。

旅館
 一泊二食6000円~8000円程度
民宿
 一泊二食5000円~7000円程度
ビジネスホテル
 原則素泊まり4500円~6500円程度
ビジネス旅館
 原則素泊まり3000円~4000円程度
シティホテル
 一泊朝食付7000円~10000円程度
観光ホテル
 一泊二食12000円~20000円程度
国民宿舎
 一泊二食7000円~8000円程度
宿坊
 一泊二食5500円~6500円程度
健康ランド
 素泊まり3000円前後
ユースホステル
 会員価格・一泊二食5000円~6000円



・旅館 
 遍路中に最も利用される宿は、お寺とお寺の道沿いにある「旅館」。
 山門前(寺のスグそば)は特に人気が高く、一泊2食付で7000円程度(素泊まり4500円程度)の価格帯という場合が多い。
 観光客も受け入れ可能な旅館の場合(別名“観光旅館”)は掃除が行き届き食事も豪華でそれだけ宿泊費用も高くなる傾向にある(観光旅館レベルになると一泊二食9000円近く請求される場合も)。それに「温泉」がプラスされた場合には料金は12000円~15000円程度覚悟せねばならない場合も出てくる。

 そのような高額な旅館がある一方で、遍路の利用率が高い古めの旅館(いわゆる“遍路旅館”)では料金を割り引いてくれる場合もある。

 部屋は和室が多く、駐車場費用と洗濯機の使用料は無料という所が多い(乾燥機がある場合は有料の確率高し)。


・民宿
 民家(自宅)の一室を“間借り”するのが、民宿のスタイル。
 接客はアットホームだが、年配者の経営する民宿の場合は掃除が行き届いていないなどの不安がある。

 部屋は和室で洗濯機使用無料の場合が多く、出発日には「弁当」を持たせてくれるなどのありがたいサービスある所も多いようですが、駐車場完備の民宿は少ないため「車遍路」にはあまり向かない(車の場合は事前に要確認)。


・ビジネスホテル
 日々の行程が予定通りに行かない遍路にとっては、「チェックイン・アウトの時間が比較的に自由で、場合によっては予約ナシでも宿泊可能」というビジネスホテルは、非常に強い味方。
 食事は併設のレストランや外食、あるいは持ち込み。ホテル内や近隣にコインランドリーあり。

 繁華街に近い場所に立地しているか、あるいは小さな町にあるビジネスホテルかどうかで、利便性や設備、それに宿泊料金などに差が見られる(なお、事前にネット予約をすれば都市部でも5000円以下で泊まれるビジネスホテルは多いが、遍路中にネット予約が自由にこなせるかどうは不明)。


・ビジネス旅館
 食事不要の“ビジネス泊まり”(就寝と風呂)に特化した旅館
 繁華街や駅の近くに立地することが多く、土木作業員やビジネスマンなどが数週間程度の長期滞在していることが多く、駐車場完備の可能性も高い。
 希望によっては一泊二食付での宿泊も可能であるが、その場合には素泊まり料金に2000円程度プラスとなる。
  部屋は和室の場合が多い。

 なお、「素泊まり3000円~4000円」という価格帯は、遍路道沿いの旅館や民宿でも、ほぼ同じである。


・シティホテル
 近くに急行停車駅や繁華街が形成されている“都会”、あるいは県庁所在地に立地している利便性や快適性の高いビジネスホテルをシティホテル」と分類することにします。
  宿泊の目安は一泊朝食付というスタイルで8000円前後というような価格帯が多く、駐車場・コインランドリー・レストラン併設で、一階のフロント辺りで「パソコンの無料利用可能」とされている場合が多い。

  宿泊費用は決して安くはないが、プライバシーと安全の確保は万全。ベッドや枕も高級で寝心地バツグン。空調の設備もしっかりとしており、設定温度さえ間違えなければ体調不良に陥ることも少ない。
 歩き遍路にとっては“高嶺の花”ではあるものの、個人や家族連れの「車遍路」にとっては“主力的”な宿になるでしょう。


・観光ホテル
 文字通り「観光スポットに立地する大型ホテル」で、四国では「温泉付」であることをウリにする“温泉ホテル”の数も多い。
  “値段相応”に設備が充実しており食事も豪華なのだが、宿泊料金は「2名以上で一室利用」となっているケースが多く見られ、したがって“一人旅”(一名で一室利用)となると、料金は飛躍的にアップする。

 まれに“遍路パック”などという名目で割引価格での宿泊が可能となる場合もあるが、それでも、宿泊料金は1万円近く。

 食って寝るだけの遍路にとっては“敷居”が高く、たまに泊まっている遍路も「ココしか泊まれる宿がなかった」「値段を知らなかった」という“緊急避難的”な側面が強い。


・国民宿舎
  観光目的のホテルと比べ若干レベルの下がる、いわゆる「公共の宿」と呼ばれる宿泊施設。
  以前には6500円前後で泊まれる場所が多かったように記憶しているが、今では7000円以上に価格設定している場所が多い模様。
  市町村による“公営”のタイプがある一方、宿の経営が“個人”なっている場合には食事・サービス・設備がレベルアップする代わりに、2000円程度値段も上がる。


  概して“風光明媚”な景色をウリにする場所に立地していることから、歩き遍路にとってはたどり着くこと自体が大変に困難。


  なお、似たような営業形態として、国民年金や簡易保険などの加入者に対する割引を行う宿(国民保養所や簡保の宿)も、以前の四国はよく見られたのだが、その多くは“民営”となった結果、一部屋二人以上での使用を前提とし、一人で泊まると10000円程度の宿泊料を徴収されるケースが多い模様。



・宿坊
 いわゆる“寺泊まり”。
 かつては88ヶ所の多くの寺が宿坊を有し、価格も安価で泊まれたことから“This is the 遍路の宿”のように言われていたものですが、今ではその数「20寺に満たず」という状況であり、しかも、一部宿坊からの「団体の宿泊がある時に限り個人客も泊める」という方針があからさまになったことで、多くの遍路が宿泊を“敬遠”しているのが、現状

 つまりは・・・、宿坊は基本的に“団体専用の宿”であると認識してよいかもしれません。
 今現在でも「一人でも必ず泊まれる宿坊は4ヶ寺あるかないかといった程度にまで減少。

 食事は質素で部屋は団体用の大部屋という確率が高く、朝か晩に「お勤め」(自由参加により本堂で寺院関係者と読経を行う)がある

 なお、四国の遍路道沿いにある旅館や民宿の宿泊料金は「宿坊の料金を参考」にしている場合が多く、宿坊が値上げをするのに合わせて、宿の料金を改定(500円アップ)している向きがある。
 この流れで、かつて「一泊二食で6500円前後」と言われていた遍路道沿いの宿は、いつの間にやら「一泊二食7000円」にまで値上げするようになったようだ。


健康ランド
 いわゆる「サウナ泊で、入浴料の他に“深夜料金”というカタチで、宿泊に対応している。
 原則的に予約が不要で、満員などを理由に宿泊を断られるケースが少ない。いわゆる“野宿遍路”が常宿とする他、車遍路が緊急避難的に利用することも多い。
 施設内に何らかの食堂があり(ただし営業時間は制限される)、基本プライバシーのない“雑魚寝”であるが、中にはオプションで個室やカプセルの部屋で寝ることも可能。

 夜遅く到着し早朝出発することも可能、そして値段も安く、広い風呂でのんびり出来ることなどが利点だが、プライバシーとセキュリティーが保証されているとは言い難く、そういった観点から「女性の利用不可」という場所も多いので注意。 


・ユースホステル
 ユースホステル」(公式サイト)とは、元々の意味では「若者を中心とした、世界中の旅先で安価に宿泊することの出来る会員制の宿」のコト。
 ユース会員(成人で年間2500円)の場合は格安料金で泊まれ、非ユース会員の場合は「会員料金プラス600~1000円」で宿泊可能。食事は質素で相部屋が原則であるが、オプション料金を支払うと個室や料理のレベルがアップする場合がある。
 そして、同じ宿泊料金でも、施設によって設備の充実度や利便性が大いに異なる点に注意。

 かつては“貧乏旅行の花形宿”と目され、また以前には88ヶ所のいくつかの寺も“ユース宿泊所”として登録されていたもののですが、今ではその全てが撤退。今現在四国四県に11の宿泊施設が稼動しているようですが、遍路道沿い(可能な限り札所と札所の最短距離)にあるのは、5箇所ほど。
 その意味で、四国遍路に限定すればユースホステルの利用可能性は少なく、会員ることも不要に思われます。しかしながらバイクや自転車の“ツーリング”をされる方に関しては、日本全国で使えるため、一泊素泊まり3000円以下で泊まれる会員になって損はないかも。
 事実、ユース利用される遍路の方は、そういったバイクや自転車遍路であるケースが多いものですから。
 
 なお、“現在のユースホステル”で談話室などに宿泊者全員が集まり「自己紹介」や「議論」、「ギターの伴奏に合わせて歌う」というコトは、先ずないw



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