四国八十八ヶ所の寺は徳島・高知・愛媛・香川の四県に点在し、総移動距離は1400キロ前後にも及びます。
そこで当エントリでは、“山越え”をキーワードにして「四国四県にまたがる札所の概観」(あるいは大まかな“攻略法”)を記しておきたいと思います。
四国八十八ヶ所、山間部の札所原則、「四国八十八ヶ所のお寺全ては『車での参拝可能』」となっており、天候次第では、歩き遍路も山道を捨てて車道登山が可能。
・徳島県
12番焼山寺・20番鶴林寺・21番太龍寺
・高知県
27番神峯寺
・愛媛県
45番岩屋寺・60番横峰寺・65番三角寺
・香川県
66番雲辺寺・81番白峰寺・82番根来寺・84番屋島寺・85番八栗寺・88番大窪寺
しかしながら、上記の「山間部の札所」に関しては道も狭く運転も困難、場所によっては「専用駐車場からお寺まで数10分歩かねばならない」というケースも出てきます。
そういった事情を考えれば、「ロープウェイ(ケーブルカー)の運転をしている札所ではお金がかかっても利用するべき」だと、考えてもよいでしょうか。
徳島県の札所概観(1~23番)「徳島県」の場合、住民や札所、それに宿関係者の多くが遍路に対し“初心者対応”をしてくれるので、非常に“ラク”。
鳴門周辺・・・1~10番
焼山寺・・・11~12番
徳島市内周辺・・・13~19番
太龍寺・・・20~22番
国道・・・23番
逆に言えば、他の県では徳島ほどに遍路に対して“便宜”を図ってくれることは、ほとんどないというコトだ。
「山」として厳しいのは「12番焼山寺」で、これは13番側(神山町・徒歩ルートの下り口)からお寺へとアプローチする方法が車では有効。
「車遍路」の場合は札所の順番にこだわらずに「徳島市内を基点に札所巡りを考える」ようにすれば、宿泊場所にも困らないし、県内の札所全体の把握が容易となる。
「歩き遍路」の場合、遍路開始から2~3日目に巡拝することになる「焼山寺をどう攻略するか」を、ルートと体力面から準備しておく必要があるでしょう。
高知県の札所概観(24~39番)「高知県」では3つのブロック、「室戸」「高知市内」「足摺」というカタチで全体把握を行う。
室戸岬周辺・・・24~27番
高知市内周辺・・・28~36番
足摺岬周辺・・・37~39番
「山」とみなされる「27番神峯寺」は上りと下りのルートが同じ(往復が同じ道)なので、「麓の町で宿泊⇒寺を往復」するのが一番ラク。
「車遍路」の場合は札所の順番にこだわらずに「高知市内を基点に札所巡りを考える」ようにすると、かなり効率よく回れる(先ず高知市内に宿を取り、そこから28~36番辺りを順不同に参拝する)。
「歩き遍路」の場合、札所間の移動距離が100キロ近くにも及ぶ「室戸岬23~24番と足摺岬37~39番の攻略」を、ルートと体力面から準備しておく必要があるでしょう。
愛媛県の札所概観(40~65番)「車遍路」の場合「高速道路」を利用することで効率よく回れるようになるのが、「愛媛県」の特徴。
宇和島・・・40~43番
久万高原(くまこうげん)・・・44~45番
松山市内周辺・・・46~53番
今治周辺・・・54~59番
横峰周辺・・・60~64番
三角寺・・・65番
全体を大きく把握するのであれば、「宇和島」「松山」「今治」「西条」と四つに分けて考えると良いでしょう。
「久万高原」(44~45番)は移動手段を問わず「45⇒44」というルートを選択する遍路が多く、また、「60番横峰寺」に関しては、近年登山道の整備不良も手伝って「59番⇒61~63番⇒車道60番⇒車道下山後に64番へ参拝」という“車ルート”を選択をする歩き遍路も増えてきていると聞きます。
なお、「歩き遍路」は39番から44・45番まで続く“七つの峠越え”が非常に厳しく、それに次いで、登山道の通行状況(通行止めの有無)によっては60番横峰寺も“強敵”となるでしょう。
香川県の札所概観(66~88番)「香川県」は各札所間の距離が短く、山越えもそれほど厳しくないために、「気がついたら終わってしまう…」というほどに“時間の流れ”が早いのが特徴。
観音寺周辺・・・66~70番
善通寺周辺・・・71~77番
坂出・国分寺周辺・・・78~82番
高松・志度周辺・・・83~86番
大窪寺・・・87~88番
「山」である「66番雲辺寺」(位置的には徳島県となる)の場合、「歩き遍路以外」はロープウェイのある観音寺側からアプローチするとラク。
なお移動手段を問わず、「全ての遍路」は香川県へと入った時点で、「自宅までの帰りの交通手段の確保・ルートの把握」に努める必要があるでしょう。
以上のように、「四国四県をいくつかのブロックで大きく分ける」ことで、「札所巡りの“全体像”の把握が容易」となります。
自転車や徒歩の方以外は、「札所の番号順にこだわらずに札所巡りをすれば日程を短縮できる」ようになりますので、出発前に、各自でルートの研究をしておくと良いでしょう。
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