google-site-verification: google29e9fe9537bcd1c0.html 高野山⇔四国、往還の記: 札所での参拝手順と読経

2013-02-28

札所での参拝手順と読経

 これまで、遍路初心者講座」(リンク先:当ブログ関連エントリ一覧)にカテゴライズされた記事も、ここでひとまず終了。
 “遍路初心者” にとって最重要とも言えるのが、これより紹介する四国八十八ヶ所の「札所での作法」。それを具体的に説明すると、お寺での動き方に関わる「参拝手順」と、寺で唱える「読経」(どきょう)の種類という2点。

 元来、こういった宗教儀礼に関することは“個人の裁量”(ある意味“個人の信仰の自由”でもある)に負うところが大きく、これまで省みられることはそれほどなかったように思えます。
 しかしながら、2000年代へと入りますと四国遍路を志す方の数は急上昇。それに伴い作法といったものに無頓着な遍路も増え、“遍路の質の低下”も指摘されるように。
 そういった状況を踏まえてか、四国の霊場会は先達を通じて作法面を厳しく指導するようになり、同時に、ウェブ上でも作法面に関する公式的な情報を配信するに至っているようです。


札所参拝手順

一、山門(仁王門)にて合掌、一礼。
二、手洗い所にて手を洗い、口をすすぐ。
三、本堂(金堂)にて、献灯、献香をし、納札を納め、礼拝し、お経(読経、写経等で)を奉納する。
四、大師堂にて、本堂と同じ手順にて献灯、献香をし、納札を納め、礼拝し、お経(読経、写経等で)を奉納する。
五、納経所にて、納経帳等にお納経(ご朱印)をいただく。
上に引用したのは、四国八十八ヶ所霊場会が発信している、各札所における参拝手順。
 この過程をもう少し詳しく記しますと、以下の通り。
札所での参拝順序

1、山門で一礼して境内へ
2、水屋(手水場)で手を洗い、口を注ぐ
3、輪袈裟をかける、数珠を持つなどの準備を行う
4、鐘楼(しょうろう)で鐘(かね)をつく
5、本堂にて納め札を納め、ローソク・線香・賽銭を供え、読経を行う
6、本堂と同じ要領で、大師堂を参拝する
7、納経所で朱印をいただく
8、山門で本堂方面に一礼し、寺を後にする
一礼して寺に入り、一礼してから寺を出る」 というのが、お寺を参拝する際の最も基本的なルール。最低限、このルールさえしっかり守るようにすれば、寺院参拝で恥をかくようなことはないハズ。

 上記1~8のプロセスの中で、少々面倒な部類に入るのが、「読経作業」(お勤め)となりましょうか。
札所での読経順序(リンク先:四国八十八ヶ所霊場会) 
合掌礼拝(がっしょうらいはい)
開経偈(かいきょうのげ)
懺悔文(さんげのもん)
三帰依文(さんきえもん)
十善戒(じゅうぜんかい)
発菩提心真言(ほつぼだいしんしんごん)
三摩耶戒真言(さんまやかいしんごん)
般若心経(はんにゃしんぎょう)
ご本尊真言(ごほんぞんしんごん)
光明真言(こうみょうしんごん)
ご宝号(ごほうごう)
回向文(えこうもん)
合掌礼拝(がっしょうらいはい)
ここに列挙されたお経は、あくまで、四国八十八ヶ所霊場会が“推奨” しているもの。もしも、これらのお経を各札所で読むことを義務付けられたとしたら、時間的にも体力的にも、遍路を続けていくのは困難となりましょう。
その意味から、これらのお経のうちのいくつかを選択し、“簡易お勤め”を行っているのが、個人や団体を問わず多くの遍路にとっての現状でしょうか。


 こういったお経は、全て仏具屋や札所の売店で入手可能な「経本」 に記されているもの。


  読経作業は経本を読みながら行いますから、暗記することは不要。
  したがって、各札所では「経本に記された文字をたどりながら、お経を唱える」ことになるのです。




 ここで紹介したお経の中で、一つだけ重要なものを上げるならば、それは『般若心経』(はんにゃしんぎょう)。

 僅か3百字に満たない文字数で、仏教が語る“真実の世界”(空思想:くうしそう)を描き出したもの。


 こういった重要なお経を頭で理解するだけでなく、身体で体得する──、その絶好の契機と言えるのが四国遍路。
 一つの札所で2回、88の札所で176回唱えるのが、この般若心経。

 無心になって唱え続けるだけで、仏教思想の根幹が体得され、身も心も軽くなる・・・・・・、そんなお勤めを果たしたいものです。


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松原 泰道

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