google-site-verification: google29e9fe9537bcd1c0.html 高野山⇔四国、往還の記: 2012-10

2012-10-18

遍路における一日のスケジュール

 四国八十八ヶ所のお寺(札所)の納経時間受付は、「7:00~17:00」。
 移動の手段は何であれ「遍路」を行う者は皆、この「納経時間に行動を制約」されることとなります。
 始めは誰もが「ゆっくりとした余裕のある計画」で遍路行を志すものですが、いつの間にか、朝の7時前にお寺に到着して夕方まで全力で寺巡りを続ける、「朝の7時から夕方5時までフル稼働の遍路生活」へとドップリと漬かるようになるもの。
 「朝はゆっくり、夜は遅くまで・・・」という“観光時間”に対し、“遍路時間”では「早寝早起きが励行」されるのは言うまでもありません。

 以下、「遍路における一日のスケジュール」を概観。

起床:5:30~6:00
朝食:6:30
出発:7:00
納経時間:7:00~17:00
昼食時間帯:11:00~13:00
宿への到着:16:00~18:00
入浴と洗濯:17:00~19:00
夕食:18:00~19:00
翌日の宿への予約&荷造り:19:00~20:00
就寝:20:00~22:00


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2012-10-17

遍路中の宿泊に関する注意事項

 一般的な「旅行」とは異なり、「遍路というものは予定通りにいかないことが多い」ため、それゆえに「事前の宿泊予約が大変に困難」であることには、特に注意せねばなりません
 個人の体調や天候の不良、それにお寺の混雑状況などで予定通りの移動が出来ず、また、団体客や観光客との兼ね合いなどの宿側の都合で、出発前などの段階で事前に予定していた宿に泊まることは、かなりの困難を極めます。


 そんな遍路中の宿泊においては「チェックインが遅くチェックアウトが早いのを認めてくれる宿を選ぶ」というのが大原則。
 そして、大半の宿に共通することは、当然のことながら「事前に予約してから宿へと向かう」ようにすることの他、「夕食の時刻(18:00~18:30)を厳守」するようにもせねばなりません。


 「遍路中の宿泊予約は7日前から宿泊の前日までにする」のが当然視され、予約電話の“デッドライン”とされるのが、「当日の昼まで」。それ以降の予約や予約ナシでの“飛び込み”の場合、「食事ナシの素泊まり」としてしか受け付けてくれない場合が多い。
 なお、四国各県には“遍路割引”をする宿泊施設が多く、家族や道中に出会った友人同士などで“相部屋”にすると、更なるディスカウントとなるケースも。
 また、宿泊可能な「宿の情報」に関しては、四国遍路用のガイドブックやインターネット情報、それに、札所の納経所や地元の方からも広く情報を得るようにします。




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2012-10-16

四国遍路で利用する宿

 一つ前のエントリでは「四国遍路でかかる費用の目安」について述べてみましたが、その費用で最もウエイトを占めるのが、「宿泊費用」。
 既に、「四国遍路でかかる日数」でも一言触れましたが、遍路は「日数を少なくし安い宿に泊まるようにすれば、遍路の費用は相当に抑えられる」ようになるわけです。

 それでは以下に、「遍路が良く利用する宿」と、その「宿泊費用」などの目安を、列挙しておきましょう。

旅館
 一泊二食6000円~8000円程度
民宿
 一泊二食5000円~7000円程度
ビジネスホテル
 原則素泊まり4500円~6500円程度
ビジネス旅館
 原則素泊まり3000円~4000円程度
シティホテル
 一泊朝食付7000円~10000円程度
観光ホテル
 一泊二食12000円~20000円程度
国民宿舎
 一泊二食7000円~8000円程度
宿坊
 一泊二食5500円~6500円程度
健康ランド
 素泊まり3000円前後
ユースホステル
 会員価格・一泊二食5000円~6000円




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2012-10-15

四国遍路にかかる費用

 これまでに当ブログのカテゴリ「遍路初心者講座」では、車や徒歩などの「遍路における移動手段」、「遍路にかかる日数」のおおよその目安を述べてまいりました。
 ここではそれらのエントリを踏まえ、「移動手段別の遍路にかかる費用の目安」について私見を述べてまいりたいと思います。

・車遍路
 12万円程度人数による
・バス遍路
 20万円程度(団体の規模による)
・タクシー遍路
 15万円程度契約会社と人数による
・自転車遍路
 15万円程度(日数と宿泊場所による)
・バイク遍路
 10万円程度(日数と宿泊場所による)
・公共交通機関&徒歩
 20~25万円程度(日数と交通機関の利用状況による
・歩き遍路
 35万円程度(日数と宿泊場所による)

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2012-10-14

四国遍路にかかる日数

 このエントリの「四国遍路にかかる日数」、それに次回に執筆予定の「四国遍路にかかる費用」というのは、遍路を志す人にとって最も知りたいことに挙げられるでしょう。
 これら2項目は、前回のエントリで記載した「遍路における移動手段」とも、密接に関係してくるものです。

 以下、実際にワタクシが経験したデータ、および聞き取り調査などにより入手した情報を公開。それに加え、各移動手段ごとの遍路の特徴も、記しておくことにします。

 なお当然のことながら、これらの日数はあくまで“目安”であることを、予めお断りしておきますよ。

・車遍路
 平均9日前後
・バス遍路
 12日前後
・タクシー遍路
 平均8日前後
・自転車遍路
 18日前後
・バイク遍路
 10日前後
・公共交通機関&徒歩
 3週間~4週間(不明点多し)
・歩き遍路
 43日前後


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2012-10-13

遍路における移動手段

 「四国八十八ヶ所の寺をどういった“方法”で巡るか」──、大別すれば「歩く』か何の『乗り物』を使うか」で、遍路にかかる「日数」「費用」「過酷さ」も、大いに変わってくる。

 ここでは簡単に、「遍路における様々な移動手段」として、そのいくつかを紹介しておきます。

自動車車遍路
 自宅から四国まで乗ってきた「自家用車」、あるいは四国入りして借りた「レンタカーを利用して札所間を移動する遍路方法。計画段階から宿の手配まで、自力で行う。

バスバス遍路
 主に「寺院主催」(僧侶が同行)と、誰もが参加可能な「旅行会社主催」のものの二つに大別される、バスを利用した遍路方法。日程の計画から日々の食事に宿の手配など、ほぼ全てはバス運行会社に任せるため、細かな点に頭を悩ますことがない。

タクシータクシー遍路
 ⇒札所間の移動でタクシーを利用する遍路。タクシー会社(あるいは個人タクシー)との契約で自宅からの送迎も可能となり、同乗者の人数により「小型」「中型」「ジャンボタクシー」へと切り替わる。


自転車自転車遍路
 札所間の移動を自転車で行う遍路方法。90年代の終わり頃より爆発的に増えた遍路方法で、「自転車の機能レベル」や「運転者の体力レベル」で、所要日数は大いに異なる模様。

オートバイバイク遍路
 札所間の移動をバイクで行う遍路方法。以前はそれほど数も多くはなかったが、近年の「携帯電話のナビ機能」の発達により、徐々にその勢力を伸ばしつつある模様。当然のことながら、「バイクの排気量」次第で移動速度が大いに異なる。

公共交通機関&徒歩乗り物遍路
 札所間の移動を公共交通機関であるバスや電車で行う遍路方法。 山間部の札所では「ケーブルカー」を用い、近くに駅やバス停が存在しない札所では「徒歩」、場合によっては「タクシー」を利用することも。

徒歩歩き遍路
 札所間の移動を徒歩で行う昔ながらの遍路方法全ての移動手段で最も過酷。遍路にかかる日数の長さと費用の高さから、最近では自転車遍路に人気のお株を奪われるカタチに。実際のところ“完全徒歩”で結願する遍路は少なく、様々な事情により乗り物を利用することがあるようです。

 四国遍路において、どういった移動手段を選択するかは、個人の「体力」と「財力」次第
 以降に続く、「遍路にかかる日数」や「遍路にかかる費用」に関するエントリを参考に、各人が移動手段を選べば良いでしょう。


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知っておきたい遍路用語

 遍路というものは宗教と切っても切り離せない部分があり、それを表現する際にも、一般には使われないような“特殊な用語”が用いられるケースが多いものです。
 そんな特殊な「遍路用語」のいくつかを、ここで解説

 以下、「最低限知っておきたい遍路用語解説」を、行っていこうと思います。 
 ただし、用語の大半は“独自解釈しておりますので、その点はご了承の程を。

遍路へんろ
 四国八十八ヶ所の寺を巡ることそこから、遍路を行う人のことも「遍路」と呼ぶようになる。  その一方、「遍路とは修験者や僧侶の修行」という見方も根強く、寺院関係者ではない“一般的な遍路”の場合は「お遍路さん」や「お四国さん」という呼び方もされている。
 札所ふだしょ
 四国八十八ヶ所の「お寺」のこと。 
 以前にはお寺を参拝した際、その参拝の証として「木製のお札(ふだ)をお堂などに打ち付ける 習慣があったことの名残で、今でも八十八ヶ所のお寺のことを“札所と呼び続けている。 なお、現在では木札を用いることがなく「紙製の札」を各札所のお堂前に設置された納札箱へと入れるようになっている。
【関連用語】
本堂ほんどう
  各札所にある本尊が安置してある場所のこと。
  なお、本尊とは「各札所で信仰の対象として祀っている仏や菩薩」。例えば1番札所の本尊は釈迦如来、88番札所の本尊は薬師如来と、各札所で異なることが多い。
大師堂だいしどう
  各札所にある弘法大師・空海を祀った場所のこと。
  参拝の際には「本堂大師堂」という順番で行う。


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四国遍路に必要な知識

 四国遍路とはこれまでにも述べましたが、改めて一言で言えば「弘法大師(空海)が修行の場とした四国に開いたとされる88の霊場を巡礼すること」であります。

 モチロン、“学術的”にも四国八十八ヶ所の寺に空海が関わったというのは無理なハナシでございますが、先ず、「遍路」においては八十八ヶ所は全て“弘法大師空海の足跡の残る寺”である」と考え、そこから「四国八十八ヶ所は空海や各寺院の本尊へと“自身の願掛け”を行う場所である」と考えておく。
 このように「四国遍路とは宗教儀礼の一環である」との認識を持っておけば、四国の現地へ行っても恥をかくようなことにはならないでしょう。


 そのような「四国遍路に必要な知識」を大別すれば、一つには札所などで最低限守らねばならない「遍路としての作法」。これは言い換えれば、“遍路に関する理論面”でもありましょう。
 二つ目には、遍路をする上で役に立つ「実践的な知識」。 これは実際に遍路をする上で知っておくべきこと、例えば車や徒歩といった移動手段別の所要日数や費用、宿泊施設の種類。また、各札所へのアクセス方法や場所的な特徴なども、事前に知っておいて損はないでしょう。

 つまりは、遍路に関する“理論と実践”を事前に把握しておけば、四国現地に入ってもかなり優位であるわけです。


 こういった四国遍路に必要な知識をまとめたのが、当カテゴリ(ラベル)の「遍路初心者講座」。
 このカテゴリでは「ワタクシが必要と考える遍路知識の伝授」という、きわめて私的で恣意的な記述を行うこといたします。


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2012-10-12

“遍路初心者”の方へ

 これまで、主に一般的な「遍路経験者」や“擬似遍路行為”を行う「チャレンジャー」、そして、遍路を経験してはみたものの自身の体験を消化できずに苦しむ「はぐれ遍路」といった立場の方々への当ブログの読み方を示してきたのですが、実は個人的に最も恐れているのが「遍路に興味を持っている人」、あるいは「これから遍路へ行こうと情報収集している人」でしょうか。
 言うなれば、“遍路初心者”。

 既に・・・
 そういった遍路初心者の方々には当ブログはお役に立てないということを、微に入り細に入りこれまで述べてきた通りですがw 実はワタクシ自身が“心変わり”(?)したこともあり、「遍路初心者へ向けたガイダンス的なエントリ」も執筆しておこうかと思いますよ。

 ただし、その内容はドチラかと言えば“歩き遍路向き” であるでしょうし、ワタクシの経験上“偏った内容”にもなりましょう。
 それでも構わないというのであれば、次回以降の更新で新たなカテゴリ(当ブログでは「ラベル」)を設け、知識の伝授に努めたいとも考えております。


 そこで、今ワタクシから「これから遍路へ行こうと考えている人」に一つだけアドバイスを送るのであれば、徒歩や車といった移動手段を問わず、情報収集よりも先に

体力強化に力を入れるべき
ということです。

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“癒し遍路”や“哲学的遍路”に疑問を持つ方々へ

 遍路というものは移動方法の手段を問わず、日数、費用、体力的に厳しいものであることには変わりはない。とりわけ、その移動方法が「徒歩」であった場合、全ての移動方法の中でも過酷さは群を抜く。
 

 ところで、そんな過酷であるはずの「歩き遍路」が、おおよそ10年ほど前より“癒し”をキーワードに「楽しいもの」であるかのように喧伝され、やがて誤解されるようにもなった。
 その引き金となったのはいくつかの「出版物」。2000年頃までにお ける遍路情報の主役と言えば、間違いなく本や雑誌の類であった。
 苦しいはずの遍路が、多くの出版物では良い面(楽しい面)ばかり強調されるようになり、とりわけ戦後の左翼世代が遍路道に迷い込むようになってからは、彼らが愛したコトバ“癒し”や“自分探し” なる中途半端な哲学用語で遍路が“理論武装”されるようになり、遍路は本来的な暗い世捨て人的な意味から別の意味へと、解釈されるようにもなった。

 それを受けて2000年頃を境に、「ネット」が遍路情報の主役に躍り出る。
 そのネット情報では「如何に遍路は楽しいものであるかばかり」が好んで語られるようになり、それ以外の本音とも言える感想を述べる者は、短時間で圧力(?)がかけられ、いつの間にやら哲学的な意味をまとった“特定の遍路観”ばかりが喧伝されるようになった。

 しかしながら・・・  そういった“哲学的遍路観(?)”に対して反感を持つ方もおられるでしょう。言うなれば「遍路はそんな“綺麗事”では済まされない」として。
 とりわけ、そういった感想を持つ人は数々の犠牲や苦難を乗り越え一気に四国88ヶ所を歩いた「通し打ちを敢行した人」 、さらに、そこで自身の限界を超えて“あるレベルを突破した人”であると思われます。
 実はそんな遍路観に反発するような人にこそ、このブログは読んでいただきたいものだと思っているのです。


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2012-10-11

“チャレンジャー”の方へ

ワタクシの場合“独自の遍路用語”を用いることが多いのですが、ここで述べる「チャレンジャー」もその一つ。
その語を解説するのであれば、

チャレンジ!四国一周徒歩の旅愛好者
といったトコロでしょうか。
言い換えれば、「遍路というものを宗教儀礼として考えない人々」。「如何に金をかけずに四国を一周するかしか興味のない人々」。


この用語をワタクシが用い出したのは、確か2000年代初め頃。
当時、“野宿自慢”ばかりする者を多数見かけられるようになり、そういった者たちの行動が、四国各地で問題視されるようになった時期。
そして2000年代の中頃には、ネット上ではこういった“チャレンジャーの言説”(体験談)が飛躍的に増加。

結果、若い世代にとっての四国遍路というモノは“宗教儀礼”としてではなく、お金のない者でも楽しめる
野宿旅行
として捉えられるようになったといっても、過言ではなかろう。


そういった“チャレンジャー”の方々。
お願いですから「当ブログとは関わらない」で頂きたい。
今時「タダで泊まれる四国情報」を中心とした遍路中の節約テクニック術など、探せばネット上にはいくらでもあります。

あくまで、当ブログは「遍路とは宗教儀礼の一つである」という認識をしてくださる方にのみ、閲覧して頂きたいものです。
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2012-10-10

“ネット遍路”の方々へ

 “現代的な意味”での「歩き遍路」が始まったのは、おおよそ「1990年代以降」。
 本州と四国を繋ぐ「橋」の完成(1988年:瀬戸大橋)に伴い、四国方面への観光客の数は激増。
 特に関西方面との橋(1998年:明石海峡大橋)が運用開始されてからは、車やバスだけでなく「歩き遍路」の数も飛躍的に増えた。

 主に90年代から2000年代前半頃にかけて、歩き遍路に関する“情報”を得ようとすれば、それは経験者による「体験記」や「講演会」といったモノが上げられましょう。
 身近に“四国遍路経験者”がいない人の場合、書籍を購入したり講演会で体験談を聞いたりして、情報を収集、整理していくしかなかったワケです。


 しかしながら90年代の終わり頃より、「インターネット」が徐々に広まりを見せるように。
 そして、そのインターネット上に「四国遍路の体験記」を記す方々が現れた。
 当初は“ネット環境”の整備状況から、その影響力は微々たるものでありましたが、おおよそ「2000年代前半頃」を境に、書籍による情報収集から「ネットによる情報収集」へと大きくシフトチェンジ。

 ココに、自身の体験をネットで配信し、体験者同士で情報交換を行い、あるいは、これから遍路を志す者がネットで情報収集するという時代が、始まったワケである。

 この状況を“ネット遍路”と呼ぶのであれば、それは少なからずの“危険性”を孕んでいると言えなくもない。
 


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